乳歯のむし歯、放っておいても大丈夫?

2022.07.31

乳歯のむし歯 放っておいても大丈夫?

 

お子さまが学校歯科健康診断や歯科医院で「乳歯にむし歯があります」そういわれました。

そんな時、どう考えますか?

急いで治療しなきゃ!でも治療ができるだろうか?痛みがあるのだろうか?いろいろ考えてしまいますよね。

「痛いのはかわいそう、でも乳歯だし、いずれ生え変わる歯なんだからそのままでいいんじゃない?」

そんな考えはストップです。歯科医師と相談し治療していくことや、ご家庭で管理を行い定期的に経過観察を行うことがとても重要です。

今回は乳歯の治療の重要さについて考えてみたいと思います。

 

乳歯は6歳ころから12歳ごろの間で順番に抜けていき、少しずつ永久歯に生え変わっていきます。乳歯の下には目には見えなくても生え変わりを待ち受けている永久歯があるのです。もし乳歯がむし歯になってしまい、そのまま放っておくとどうなるでしょうか。乳歯はそもそも、エナメル質が永久歯に比べ薄く、しかも柔らかいので、むし歯になりやすく、進行もとても速いという特徴があります。痛みを訴えるころにはむし歯が神経までおよんでいる場合もあります。歯の根っこの中には神経の通っている管があり、むし歯が少しずつ少しずつ神経の管を通り神経の奥へと侵食していきます。そこで根っこの先まで炎症が到達してしまうと、その先で待ち受けている永久歯はどうなるのでしょうか。乳歯の下で成長中で生えてくるのを待っている永久歯は、むし歯の炎症の影響を受け本来あるべき形からいびつな形に変わっていってしまいます。このような炎症が原因となって、エナメル質形成傷害が起きてしまった状態の歯を「ターナー(Turner)歯」といいます。永久歯として生えてきてもむし歯になりやすかったり、折れやすいなど様々な問題を抱えることがあります。

また永久歯への生え変わりにあたり、乳歯は永久歯が適正な場所に生えるための道しるべになります。むし歯などにより本来の抜けるタイミングより早く歯を抜いてしまうと前後の歯が抜けた歯に向かって倒れ、咬み合わせがずれて食事もとりづらくなってしまうこともあります。

乳歯と永久歯の距離や生え変わりをレントゲンで確認し、そこでむし歯を治療せず様子を見るという場合もあります。その場合はご家庭で管理され、定期的に歯科医院で経過観察を行う事を前提として、患者様にも定期的な来院をお願いしています。

以前、むし歯があるといわれたけれど長い間みてもらってないな・・・そんなことありませんか?

谷山ファミリー歯科クリニックでは患者様の小さな不安にも耳を傾け不安を解消できるようお手伝いさせていただきます。

小さなお子様も怖くないようお子さまの状況に応じて診療していきますので、皆様のお越しをお待ちしております。

右の写真は7歳の男児の下の顎の骨のレントゲン写真です。
乳歯の下に、生え変わるのを待っている永久歯があるのが分かります。
乳歯のむし歯予防は、永久歯のむし歯予防にもなるのです。
むし歯がないかの確認、歯みがき状態の確認、フッ化物歯面塗布を定期的に行うことを
おすすめします。

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