唾液が減少しやすい方とは

2019.05.03

鹿児島市谷山中央にある谷山ファミリー歯科クリニックの永田です。

前回は、唾液が減少することによって歯周病やむし歯のリスクが高まるばかりではなく、
QOL(生活の質)が低下する一因にもなることについて書きました。今回は、唾液が
減少しやすいのは、どのような人なのかについて考えてみたいと思います。

唾液量の減少は、更年期や高齢の方々によく見られますが、最近では若い方々にも
増えてきているといわれています。

新潟大学医歯学総合病院の調査によると、口腔乾燥症の専門外来を訪れる患者さんは
圧倒的に女性が多く、約8割を占めているとのことです。年代別にみてみると、50歳代から
急激に増加 し70歳代まで増加は続き80歳代になると減少しています。80歳以上になると、
外来を受診するのが難しくなるため、少なくなってきていると思われます。
実際には、寝たきりでお口を開けたままの状態が続く方などにもお口の乾燥が多くみられて
います。

口腔乾燥と更年期
女性は、45~55歳頃に女性ホルモンが低下していき、その結果として閉経し、
更年期を迎えます。この女性ホルモンの低下が口腔乾燥感と関連していると
いわれています。全国の女性外来へのアンケートでは、口腔乾燥、味覚障害、
舌痛、顎関節痛などの訴えが 多いという結果が出ています。
慢性疾患や服薬の多い方も要注意
高齢になるにつれて、高血圧、脂質異常症、不眠症、頻尿など、さまざまな病気を
抱える方が増えてきます。それらの治療薬の副作用や、糖尿病や甲状腺疾患などの病気
そのものによって、口渇(口の渇き)が引き起こされることがあるため、お口の乾燥感
を訴える方が多くなります。
若年層にも口腔乾燥感が増えている?!
最近では、若年層にもストレスが原因と思われるお口の乾燥がみられるようになって
います。ストレスがかかると、交感神経が強くはたらきます。そのため、交感神経への刺激が
唾液腺に伝わり、水分の少ないネバネバした唾液が分泌されます。たとえば、人前で発表する時
など緊張すると交換神経が優位になり、お口の中が乾燥し、ネバつきやすくなります。

次回は、口腔乾燥にどう対処していけばよいのかについて書いてみようと考えております。

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