食欲の秋、味覚について考えてみましょう。

2018.10.18

鹿児島市谷山中央にある谷山ファミリー歯科クリニックの永田です。

昼間はまだ暑いですが、朝晩は少し冷え込んで秋らしくなってきました。

秋といえば、食欲の秋、スポーツの秋、読書の秋・・・・と言われています。

今回は食欲の秋、味覚について考えてみたいと思います。

人は何かを食べる時、五感でおいしさを感じています。“おいしそうな匂いを感じる嗅覚”“食べ物の舌触りや歯ざわりを感じる触覚”“料理の見た目を感じる視覚”“野菜のシャキシャキの音などを感じる聴覚”そして“甘い・すっぱい・苦いなど感じる味覚”です。この中の味覚というものは一体どこで感じているのでしょうか。そう、それは主に舌です。そこで重要となるのが“味蕾”というものです。味蕾は舌の表面に約6,000個、咽頭などに約2,000個存在するといわれています。この味蕾で甘味、塩味、苦味、酸味を感知しています。

実はこの味蕾は、お母さんのお腹の中にいるときからすでに形成されています。そのため胎児のころからしっかりと味を感じることができるといわれています。味蕾の内部には味覚細胞があり、味覚細胞で味を感知すると顔面神経、咽頭神経、迷走神経を介して脳に情報が伝わります。味覚細胞の寿命は10日間と短く、いつも新しい細胞が作られているのです。

妊娠14~15週頃には味蕾が形成され、味覚を感知する能力が発達します。羊水はママが口にした食べ物の影響を受け、甘くなったりしょっぱくなったりすることがわかっており、胎児は味が変化する羊水を飲みながら、味覚を形成していると考えられています。赤ちゃんの好き嫌いはこの頃から始まっているのだそうです。

妊娠8ヶ月頃になると、胎児は味蕾が成熟し、味を識別する能力を身に着けているという研究結果もいくつか報告されています。食事の際は栄養バランスだけではなく、食材の味にも気を配り、いろいろな味覚を赤ちゃんに伝えてあげられると良いですね。

みなさんはご飯を食べるとき、ご飯を口の中に入れた後何をしますか?すぐに食べ物を飲み込んでしまう人はいませんよね。みなさん噛むという行為をしているはずです。そう、人間は食べ物を噛んだり舌でつぶしたりすることで、味の刺激を味蕾へ伝えています。その情報が脳へと行くことで、おいしいなどの感覚を感じるのです。「よく噛んで味わう」というのはそこから来ています。よく噛むことで、唾液の分泌量も増えその唾液に食べ物の成分が溶け込むことにより味蕾が味の刺激を受けやすくなります。そのため人間が味を味わう際に、味蕾へ味を伝達するのに噛むという行為はとても重要な役割を果たしているのです。

日ごろから歯のケアをしっかりと行い、3カ月に一回は歯科医院で歯のメンテナンスをおすすめします。ご自分ではしっかりとケアしているつもりでも、普段の歯みがきでは、歯ブラシ等の届かない場所があったり、歯肉が何らかのダメージを受けていたりすることもあります。谷山ファミリー歯科クリニックではむし歯の治療だけでなく、蓄積された歯石を取り除いたり歯肉の状態を確認し、正しい歯のみがき方を指導したりもしています。ずっと自分の歯を大切にすることで、いつまでもご飯のおいしさを楽しむことができたらいいですね。ぜひこの機会にかかりつけの歯科医院へ行き、歯みがきの仕方の見直しや歯のメンテナンスをしていくことをおすすめします。

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