子どもの歯ぎしり・・・大丈夫です!一緒に見守りましょう!
2026.01.17
夜中に響く「ギリギリ…」という音に、胸が締め付けられていませんか?
真夜中、お子さまから聞こえてくる「ギリギリ…」という歯ぎしりの音。思わずその小さなお顔を覗き込んでしまったこと、ありませんか?
「歯が削れてしまうんじゃないか」 「顎に負担がかかっているんじゃないか」 「どこか痛いのかな…」 「ストレスを感じているのかしら…」
当クリニックには、毎日のように「子どもの歯ぎしりが心配で…」と不安そうな表情で来院されるママ・パパがいらっしゃいます。その心配そうな顔を拝見するたびに、私たちはいつもこうお伝えしています。
「大丈夫ですよ。お子さまの歯ぎしりは、成長に必要なんです」
この言葉を聞いて、ホッと肩の力が抜けて涙ぐむお母さまもいらっしゃいます。今日は、その理由を、歯科医学のエビデンス(科学的根拠)に基づいて、わかりやすくお伝えします。
実は、子どもの約20〜30%が歯ぎしりをしているといわれています。
まず知っていただきたいのは、子どもの歯ぎしりは珍しいことでないということです。
歯科医学の研究によると、子どもの約20〜30%が歯ぎしり(専門用語では「小児ブラキシズム」と呼びます)を経験していることが報告されています。つまり、クラスに30人いれば、6〜9人のお子さまが歯ぎしりをしているのです。
「そんなに多いんですか!?」と驚かれる親御さんも多いですが、これこそが小児期における正常な生理現象である何よりの証拠なのです。
歯ぎしりは「顎の成長」に必要なトレーニング
では、なぜ子どもは歯ぎしりをするのでしょうか?
1. 咬み合わせの「調整作業」をしているんです
お子さまの口の中では、日々ダイナミックな変化が起こっています。乳歯から永久歯への生え変わり、顎骨の成長、顔面骨格の発育…。これらはすべて同時進行で進んでいます。
歯ぎしりは、この急速な成長期において、次に生えてくる歯のスペースを確保し、顎の位置を最適化するための自然な行動なのです。
例えるなら、家を建てるときの「地ならし作業」のようなもの。しっかりとした土台を作るために、必要な準備をしているのです。
2. 顎関節と咀嚼筋の「成長促進プログラム」
顎関節(がくかんせつ)は、頭蓋骨と下顎骨をつなぐ重要な関節です。この関節は、お子さまが成長する過程で、食べ物を咬む力や話す機能を獲得するために、絶えず発達し続けています。
歯ぎしりによって、顎を動かす筋肉(咀嚼筋)が適度に刺激され、顎関節の可動域が広がり、機能的な発達が促進されることが、歯科医学研究で明らかになっています。
つまり歯ぎしりは、将来しっかり咬める、健康な顎を作るためのトレーニングなのです。
3. 歯の高さを揃える「自動調整システム」
乳歯は永久歯に比べて小さく、また生え変わりの時期には歯の高さがバラバラになりがちです。
歯ぎしりをすることで、お子さまは無意識のうちに歯の高さを均等に揃え、咬み合わせを整えているのです。これは、身体が持つ素晴らしい「自己調整機能」の一つです。
学術的エビデンスが示す「小児ブラキシズムの役割」
今お伝えしていることは、単なる経験則ではありません。世界中の歯科医学研究が、これらの事実を裏付けています。
国際的な研究からの知見
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2023年のフロンティアズ・イン・オーラルヘルス誌に掲載されたシステマティックレビューでは、「小児の睡眠時ブラキシズムは成長発達の過程で見られる適応的反応である」と結論づけられています。
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アメリカ小児歯科学会(AAPD)の研究論文でも、「小児期の歯ぎしりは顎関節の機能発達に寄与する可能性がある」と報告されています。
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日本の大阪大学歯学部の研究チームは、「小児の約20%で睡眠時ブラキシズムが確認され、これは口腔周囲筋の発育に関連している可能性が高い」との研究成果を発表しています。
これらの科学的根拠から、「お子さまの歯ぎしりは心配いりません」と申し上げることができるのです。
「いつまで続くの?」というご質問にお答えします
多くの親御さんが気になるのが「この歯ぎしり、いつまで続くの?」という点です。
年齢別・歯ぎしりの特徴
【1〜3歳頃】 乳歯が生え揃う時期。歯ぎしりが最も頻繁に見られます。咬み合わせの位置を探っている時期です。
【4〜6歳頃】 顎の発達や乳歯の安定により、歯ぎしりが徐々に減少する傾向があります。
【6〜12歳頃】 永久歯への生え変わり期。一時的に歯ぎしりが再び強くなることもありますが、これも成長の一環です。
【思春期以降】 顎の成長がほぼ完了すると、自然に歯ぎしりは減少・消失していきます。
つまり、ほとんどのケースで、成長とともに自然に治まっていくのです。
「でも、本当に大丈夫?」不安を解消する5つのポイント
✓ こんな場合は「心配不要」です
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痛がる様子がない お子さまが日中、顎や歯の痛みを訴えない場合は、問題ありません。
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食事を普通に食べられる しっかり咬んで食事ができていれば、顎の機能は正常です。
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歯が極端に削れていない 多少の摩耗は正常範囲。 乳歯は永久歯に生え変わりますので、心配い りません。
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口を開閉できる 大きく口を開けたり閉じたりできれば、顎関節は健康です。
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日中は明るく元気 よく遊び、よく笑い、健康的に過ごしていれば、まったく問題ありません。
当クリニックが大切にしていること
私たちのクリニックでは、ただ「大丈夫ですよ」と言うだけではありません。
1. 一人ひとりの成長を見守ります
お子さまの口腔内をしっかり診察し、顎の成長段階、歯の生え変わり状況、咬み合わせのバランスを総合的にチェックします。
2. 親御さんの不安に寄り添います
「心配です」「気になります」というお気持ちに共感し、時間をかけてご説明します。どんな小さな疑問でも、遠慮なくお聞きください。
3. エビデンスに基づいた安心をお届けします
経験だけでなく、最新の歯科医学研究に基づいた情報をご提供します。科学的根拠があるからこそ、自信を持って「大丈夫」とお伝えできるのです。
4. 成長を一緒に喜びます
「前回より顎がしっかりしてきましたね」「咬む力が強くなりましたね」——お子さまの成長を、親御さんと一緒に喜び、見守ります。
ご家庭でできる「歯ぎしりサポート」
歯ぎしり自体は治療の必要はありませんが、お子さまの健やかな成長をサポートするために、ご家庭でできることがあります。
1. リラックスできる睡眠環境を
寝る前の穏やかな時間、心地よい温度・湿度、お気に入りの寝具など、質の良い睡眠を促す環境づくりを心がけましょう。
2. バランスの良い食事
咬みごたえのある食材を適度に取り入れ、顎の筋肉を使う食事を意識しましょう。ただし「硬いものばかり」は逆効果。バランスが大切です。
3. 定期的な歯科検診
3ヶ月に一度の定期検診で、成長過程を確認します。小さな変化も見逃しません。
最後に——すべてのママ・パパへ
お子さまの小さな体には、驚くべき成長のプログラムが組み込まれています。
歯ぎしりは、その成長プログラムの一部。未来の健康な顎、美しい歯並び、しっかり咬める力を作るための、大切なプロセスなのです。
夜中に聞こえる「ギリギリ…」という音は、けっして心配な音ではありません。それは、お子さまが一生懸命に成長している音。明日へ向かって、体を作っている音なのです。
当クリニックは、お子さまの成長を
見守ります
どんな小さな心配事でも構いません。 「これって普通?」「ちょっと気になる…」 そんな時こそ、ぜひ当クリニックへお越しください。
お子さまの笑顔のために—— 私たちは、いつでもここでお待ちしています。



















