唾液の役割
2019.04.28
カテゴリー: 院長日記
鹿児島市谷山中央にある谷山ファミリー歯科クリニックの永田です。
お口の乾燥が気になることの原因の一つとして、唾液分泌量の低下があげられます。
唾液分泌量が減り、お口の中が乾燥してくると、話をしづらい、舌がヒリヒリする、
お口の中がネバネバするといった症状がでてくることがあります。
今回は唾液の役割について考えてみたいと思います。
唾液は、1日にどれくらいの量が分泌されているかご存じでしょうか?
なんと、1日に1~1.5Lも分泌されているといわれています。500mlの
ペットボトル2~3本分になります。その唾液には、お口や歯をはじめ
私たちの体を守るという大切なはたらきがあります。
主な唾液の働きとしては、①潤滑作用②消化作用③歯の保護作用④粘膜修復作用
⑤洗浄作用⑥緩衝(かんしょう)作用⑦抗菌作用・・・・などがあります。
食べたり、お話したりするときに、唾液が少なかったら、頬粘膜や舌が歯と擦(こす)れて
痛みがでてきます。唾液は頬粘膜や舌などを保護して、食べたり、話をしたりするのを
スムーズにしているのです。また、デンプンを糖に変える「消化作用」があり、ご飯を
噛んでいくと甘くなるのはこの作用のためです。ケガをしたときに傷口に唾液をつけて
おけば治るといわれるのも、唾液の抗菌作用があるためです。
さらに、唾液には食渣を洗い流してお口の中に残るのを防ぐ「洗浄作用」や
お口の中のpHを一定に保って歯が溶けるのを防ぐ「緩衝作用」があり、むし歯や
歯周病から歯を守るはたらきもあります。
それでは、唾液が減るとどうなるでしょうか?
お口の中が乾燥することにより、「口が渇く」ことは、一時的なこともありますが、
慢性的なものは「ドライマウス(口腔乾燥症)」という疾患です。唾液が減ると当然
そのはたらきも弱くなるので、むし歯や歯周病のリスクも高くなってしまいます。
ドライマウス(口腔乾燥症)はお口の中だけの問題ではなく、QOL(生活の質)も
低下してしまう厄介なものです。舌がヒリヒリする、口の中がカラカラする、口唇が
乾くなどなど・・ドライマウスはお口の中にトラブルを起こしますが、こうした身体的な
影響のほかに、会話がしづらい、お食事がしづらいなどがあると、本来なら楽しいはずの
友人との外食などを避け、閉じこもりになるなどといった心理的な影響もでてくることも
あります。
次回は、さらに唾液が減少するとどうなるか、どうして唾液が減少するのかについて
考えてみたいと思います。