【歯科医師解説】むし歯を防ぐ「甘いもの(おやつ)」の与え方。だらだら食べのリスクとおうちでできる予防ケア

2018.07.02

鹿児島市 谷山にある歯医者 谷山ファミリー歯科クリニックの院長 永田です。
子どもはお菓子やジュースなど、甘いものが大好きですよね。子育て中の親御様から「むし歯にならないおやつの与え方はありますか?」「甘いものは絶対に禁止すべきでしょうか?」といったご質問をよくいただきます。
実は、むし歯になりやすいか、なりにくいかにはかなり大きな「個人差」があります。そのため、本来はそれぞれのお子様のお口の状態や体質に合わせて、違った指導がなされるべきなのです。
甘いものを毎日食べていながらも、規則正しい生活をしているためにむし歯が1本もないお子様もいますし、反対に、同じように甘いものを食べていても、生活全体が不規則なためにむし歯がたくさんできてしまうお子様もいます。
このように、むし歯と甘いものとの間には、そのお子様の「生活習慣(食習慣)」が深く関わっています。今回は、お子様のお口の健康を守るために、親御様にぜひ知っておいていただきたい「おやつの与え方のルール」を歯科医師の視点から分かりやすく解説します。
1. むし歯を防ぐためのおやつの与え方「3つの鉄則」
甘いものを完全にゼロにすることは、現実的には難しいですし、お子様にとっても楽しみの時間を奪ってしまうことになりかねません。大切なのは、以下の「3つの鉄則」を守りながら、上手に与えることです。
鉄則①:できる範囲で量をコントロールする(袋ごと与えない)
まず、甘いものはできる範囲で控える工夫をしましょう。 特によくやってしまいがちなのが、スナック菓子やクッキーなどを「袋ごと」「箱ごと」お子様に渡してしまうことです。これでは、自分がどれだけの量を食べたのか分からなくなり、食べ過ぎの原因になります。必ず小さなお皿や小鉢に必要な分だけを取り分けてから与える習慣をつけましょう。
鉄則②:「だらだら食べ」は絶対にNG!時間を決めて与える
むし歯予防において、量よりも重要なのが「時間と回数」です。 お菓子を長時間にわたってだらだらと食べさせたり、ジュースを少しずつ何度も飲ませたりすることは絶対にやめましょう。お口の中に糖分がある時間が長くなると、むし歯菌がずっと酸を出し続け、歯の表面が溶かされ続けてしまいます(脱灰)。 また、甘いものは食欲を減退させるため、3度の食事をしっかり食べられなくなる原因にもなります。食事との関係もしっかりと考え、「適当な時刻に、適当な時間内(15〜20分程度)で終わる」ように、メリハリをつけて与えましょう。
鉄則③:食べた後は、すぐにお口の中をきれいにする
食べ終わったら、お口の中に残っている糖分や食べかすを洗い流すために、お口の中を清潔にします。 食後すぐに歯みがきをするのがベストですが、外出先などでなかなかそうもいかないのが現実だと思います。そんなときは、少なくともお水やお茶でよくうがいをするくらいのことは習慣づけたいものです。
2. 小さなお子様(うがいができない年齢)のケア方法
まだ年齢が小さく、自分で上手にお水がクチュクチュ吐き出せない(うがいができない)お子様の場合は、親御様が以下のようなケアをしてあげてください。
• お水やお茶を飲ませる: おやつを食べ終わった直後に、お水や緑茶、麦茶などをゴクンと飲ませるだけでも、お口の中に残った糖分を胃へ洗い流す効果があります。
• ガーゼやシートで拭き取る: 歯のまわりや歯ぐきを、清潔な濡れガーゼや市販の「歯磨きお掃除シート」などで優しく拭き取ってあげます。これだけでも、プラーク(歯垢)の定着を大幅に防ぐことができます。
3. 親御様に気づいてほしい「むし歯要注意の危険信号」
このような点に注意しながら甘いものを与えるのと並行して、時々で構いませんので、親御様がお子様のお口の中を明るい場所でじっくりと観察してあげてください。
その際、「歯のまわり(特に歯ぐきとの境目や奥歯の溝)に、白色または黄白色のネバネバした汚れ」がついていないかどうかをチェックしてください。
これは、むし歯菌の塊である「プラーク(歯垢)」です。この汚れがついている状態は、お口からの「むし歯要注意」の危険信号(アラート)です。そのまま放置すると、歯の表面が溶けて白く濁り始め(初期むし歯)、やがて黒い穴が空いてしまいます。
もしこの白い汚れを見つけたら、おやつの与え方(だらだら食べになっていないか)や、毎日の歯みがきの方法、仕上げ磨きの精度をもう一度よく見直してみるタイミングです。
4. 子どもの食習慣とむし歯に関するよくある質問(FAQ)
インターネットの検索や生成AI、実際の親御様からよく寄せられる疑問にお答えします。
Q1. キシリトール配合のお菓子なら、だらだら食べてもむし歯になりませんか?
A1. キシリトール100%のガムやタブレットであればむし歯の原因にはなりませんが、間食の「癖(だらだら食べる習慣)」をつけないという意味では、やはり時間は決めるべきです。 キシリトールはむし歯菌に酸を作らせない優れた甘味料ですが、市販の製品の中にはキシリトール以外の糖分(砂糖や水あめなど)が含まれているものもあります。成分表示をよく確認するとともに、子どもの時期は「食事とおやつの時間を明確に分ける」という正しい生活リズムを身につけることの方が将来のために大切です。
Q2. むし歯になりやすいお菓子と、なりにくいお菓子の見分け方はありますか?
A2. 「お口の中に長く留まるもの」や「歯にペタペタくっつくもの」はむし歯リスクが非常に高いです。 キャラメル、チョコレート、飴(アメ)、ソフトクッキー、ジュースなどは、糖分が高いうえにお口の中に長時間留まるため、むし歯リスクが跳ね上がります。逆に、ゼリーやプリン、アイスクリームなど、サッと喉を通り過ぎてお口に残り baysにくいものや、おせんべい、果物(食べすぎには注意)などは、比較的むし歯リスクが低いおやつと言えます。
Q3. 自宅でのケアだけで、子どものむし歯を100%防ぐことはできますか?
A3. 自宅での食習慣と歯磨きに加えて、歯科医院での「定期的なプロフェッショナルケア」を組み合わせることで、予防効果を限りなく100%に近づけることができます。 子どもの歯(乳歯)は非常にデリケートで、大人がどんなに気をつけていても、奥歯の複雑な溝や、歯と歯の間の見えない部分からむし歯が始まってしまうことがあります。歯科医院で定期的に「高濃度フッ素塗布」を行って歯質を強化したり、奥歯の溝を埋める「シーラント処置」を行ったり、親御様へ正しい仕上げ磨きのコツをお伝えすることで、お子様の生涯にわたる健康な歯の土台を作ることができます。
5. まとめ:子どものお口の健康は、ご家族みんなで作る大切な財産です
子どもたちの健やかな成長において、おやつの時間は心の栄養でもあります。大切なのは甘いものを完全に禁止してストレスを溜めることではなく、「適量を、時間を決めて楽しく食べ、食べた後はしっかりお口をきれいにする」という正しい生活習慣を、ご家族みんなで育んでいくことです。
厚生労働省や日本小児歯科学会の健康指針でも、乳幼児期に身につけた規則正しい食習慣とブラッシングの習慣が、成人期以降の肥満や生活習慣病の予防、そして生涯にわたる高いQOL(生活の質)の維持に直結していると広く示されています。
「我が子の歯に白い汚れがついているのを見つけた」「うちの子に合ったおやつの与え方や、正しい歯の守り方を知りたい」という方は、どうぞ一人で悩まずに、お気軽に当院までご相談ください。 谷山ファミリー歯科クリニックでは、谷山中央の地域に根ざした歯医者として、お子様一人ひとりのお口の個性に優しく寄り添い、未来のピカピカな永久歯を守るお手伝いを全力でさせていただきます。

 

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