歯ぎしり(ブラキシズム)~その2

2015.03.24

「歯が割れた!」ことに起因する痛みや腫れを訴えて来院されることがたまにあります。

歯ぎしり(ブラキシズム)が原因と思われる様々な症状/疾患のうち、もっとも致命的なものは
歯根破折と思われます。なぜなら、ほとんどの場合、抜歯になってしまいますので・・・・
歯根破折は実は初期の段階ではなかなか解らず、対応に苦慮するケースが多いです。
レントゲンにも写りませんし(もちろん、写るような状態であれば、一発で解ります)。

きっと割れているんだろうな~と思いながらも、抜歯しなければならない程度かどうかは、
経過を診て、または既往歴から判断する場合がほとんどなので、治療期間が長くなることが
おおいです。

頻度としては、圧倒的に失活歯(神経を取っている歯)に見られます。

しかも、「割れた瞬間」に、気づかないケースほとんどです。

人間が、口の中のものを咀嚼する時、神経筋機構と呼ばれる、精密な反応システムが働きます。
例えば、貝の中に砂が残っていて、それをガリっと噛んだ瞬間に、噛む事をストップします。
これは、熱いものに手を触れてアチっと手を引っ込めるスピードよりも速いと言われています。

それほど素早い反応システムがあるにも関わらず、歯が割れてしまうほどの力がかかり、なおかつ気づきにくい。
難しい問題です。

 

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