入れ歯で痛みが・・・合わない原因と我慢してはいけない理由

2026.01.22

入れ歯が原因の痛み、我慢していませんか?

「入れ歯で少し痛みがあるけれど、これくらいは仕方ない」 「歯医者さんに何度も行くのは申し訳ない」 「年だから、多少の不便は当たり前」

もしそう思っていらっしゃるなら、どうかこの記事を最後まで読んでください。入れ歯が原因の痛みを我慢することは、単なる不便ではありません。それは、ご自身の健康、そして人生の質そのものに深刻な影響を与える可能性があるのです。

なぜ入れ歯が痛くなるのか?5つの主な原因

1. 歯ぐきの形が変わってきた

入れ歯を作った時と今では、ご自身のお口の中は確実に変化しています。歯を失った後、顎の骨は少しずつ痩せていきます。これは自然な現象なのです。まるで使わなくなった筋肉が衰えるように、歯を支える必要がなくなった骨も徐々に小さくなっていくのです。

その結果、ピッタリ合っていた入れ歯が、いつの間にか合わなくなってしまいます。靴のサイズが変わったのに同じ靴を履き続けるようなものです。最初は小さな違和感でも、やがて痛みに変わっていきます。

2. 入れ歯自体が摩耗・変形している

入れ歯は毎日使うものです。食事のたびに力がかかり、お手入れの際には物理的な摩擦があります。プラスチック部分は少しずつ摩耗し、金属のバネは疲労していきます。

特に、熱い食べ物や飲み物を口にすると、入れ歯の材料が微妙に膨張と収縮を繰り返します。この積み重ねが、数年後には目に見えない変形となって現れるのです。

3. かみ合わせのズレ

上下の入れ歯のかみ合わせがズレると、一部分だけに強い力がかかります。これが痛みの原因になるだけでなく、顎の関節にも負担をかけてしまいます。

片側だけで噛む癖がついていると、このズレはさらに加速します。気づかないうちに、体全体のバランスまで崩れてしまうこともあるのです。

4. 口内炎や傷ができている

合わない入れ歯は、歯ぐきや頬の内側を傷つけます。小さな傷から口内炎になり、その痛みでさらに噛みにくくなるという悪循環に陥ることもあります。

特に注意が必要なのは、同じ場所に繰り返し刺激が加わることです。慢性的な刺激は、時に深刻な病気の引き金になることもあります。

5. 歯ぐきの病気や炎症

入れ歯の下の歯ぐきが赤く腫れていませんか?これは「義歯性口内炎」という状態かもしれません。合わない入れ歯による圧迫や、清掃不足によるカビ(カンジダ菌)の繁殖が原因です。

痛みがなくても、慢性的な炎症は全身の健康に影響を与えます。口の中の炎症と、心臓病や糖尿病との関連も指摘されているのです。

我慢してはいけない3つの深刻な理由

理由1:食事が楽しめなくなり、栄養状態が悪化する

入れ歯が原因で痛みがあると、無意識に柔らかいものばかり選んで食べるようになってしまいます。最初は「食べやすいから」という理由でも、やがて食事のバリエーションは狭まっていきます。

肉や野菜などの繊維質の多い食品を避けるようになると、タンパク質やビタミン、ミネラルが不足します。その結果として起こるのが、筋力の低下、免疫力の低下、そして認知機能の衰えです。

「食べることは生きること」という言葉があります。食事は単なる栄養補給ではありません。季節の味を楽しみ、家族や友人と食卓を囲む喜びは、人生の質を大きく左右します。その大切な楽しみを、入れ歯の痛みのために失ってはいけないのです。

理由2:全身のバランスが崩れ、転倒リスクが高まる

意外に思われるかもしれませんが、口の中と体のバランスには深い関係があります。

しっかり咬めないと、姿勢が悪くなってしまいます。前かがみになったり、首が前に出たりします。咬み合わせがズレていると、顎の関節だけでなく、首や肩、腰にまで影響が及びます。

研究によれば、しっかり咬める人とそうでない人では、転倒のリスクに大きな差があることが分かっています。咬む力は、体の安定性を保つ筋肉の働きとも連動しています。

高齢者にとって、転倒は命に関わる重要な問題です。骨折から寝たきりになり、認知症が進行するケースも少なくありません。入れ歯の痛みを我慢することは、こうした深刻な事態の第一歩になりかねないのです。

理由3:人とのコミュニケーションが減り、孤独になる

入れ歯が合わないと、話しにくくなります。発音が不明瞭になったり、入れ歯が外れそうになるのを気にして、思うように話せなくなったりします。

すると、人と会うのが億劫になります。食事の誘いを断るようになり、おしゃべりする機会も減っていきます。家族との会話さえ、最小限になってしまうかもしれません。

社会的なつながりの減少は、心の健康に大きな影響を与えます。孤独感は、認知症のリスクを高めることも研究で明らかになっています。

笑顔で話し、美味しく食べ、人と楽しく過ごす。これらはすべて、よく合った入れ歯があってこそできることなのです。

「申し訳ない」と思わないでください

「こんなことで歯医者さんに行くのは申し訳ない」 「何度も調整してもらうのは悪い気がする」

多くの方がそう感じています。でも、それは全く違います。

歯科医師は、みなさまが快適に過ごせるように、入れ歯を調整することを仕事としています。むしろ、痛みを我慢して悪化させてしまう方が、治療に時間がかかり、費用もかかってしまいます。

入れ歯の調整は、決して「迷惑なこと」ではありません。それは、みなさまの健康と生活の質を守る、とても大切な医療行為なのです。

こんな症状があったら、すぐに歯科医院へ

  • 入れ歯を入れると痛みがある
  • 食事の時に入れ歯が動く、外れそうになる
  • 発音がしにくい、話しづらい
  • 歯ぐきから出血がある
  • 口臭が気になる
  • 入れ歯を作ってから2年以上調整していない
  • 片側だけで噛む癖がついている
  • 硬いものが食べられなくなった

一つでも当てはまるなら、それは体からのサインです。どうか、そのサインを無視しないでください。

歯科医院での調整・治療でこんなに変わる

入れ歯の調整や作り直しをした多くの方が、「もっと早く来れば良かった」とおっしゃいます。

調整後は、痛みがなくなるだけでなく、こんな変化が起こります:

  • 食事が美味しくなる:今まで避けていた食べ物が食べられるようになります
  • 表情が明るくなる:痛みから解放されると、自然と笑顔が増えます
  • 体調が良くなる:しっかり栄養が取れると、体力も気力も戻ってきます
  • 外出が楽しくなる:人と会うのが楽しくなり、活動的になります

これらは決して大げさな話ではありません。実際に多くの方が経験している変化なのです。

最後に:快適に過ごす権利がある

入れ歯による痛みは、「年だから仕方ない」ものではありません。 我慢することが美徳でもありません。

みなさまには、痛みなく食事を楽しむ権利があります。 笑顔で人と話す権利があります。 快適に毎日を過ごす権利があるのです。

その痛みは、体からの「助けて」というメッセージです。どうかそのメッセージに耳を傾けて、歯科医師に相談してください。

歯科医師は、みなさまの味方です。遠慮せず、どんな小さな悩みでも相談してください。きっと、解決方法が見つかります。

明日からの人生を、もっと快適に、もっと笑顔で過ごすために。 その一歩を、今日踏み出してみませんか?

 

 

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